『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

5回中山道・木曽路ウルトラウォーキング<捌>

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夜が明けてきた。

日が昇ろうと

日が沈もうと

関係なく坂は存在する。

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泣きたくなる。

いや、坂を見ると吐きそうになる。

一般的な感覚として

風光明媚で外界を見下ろす地を

訪れたとき

「登って良かったね。気持ちいいし

あとは下るだけ」

とある種の達成感を得るのだが

登り終えて、また登る。

下っても、またすぐに登る。

登る、登る

ひたすら登る。

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宿場町らしい風景も

見えてきた。

 

<指定コンビニ>
ファミリーマート
新中津川落合店
86km
23 :00~11:00(到着予想時間)

指定コンビニとはエイドと違い

スタッフはいなくて

トイレやちょっとした休憩を

気兼ねなく使えるコンビニのことである。

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仮眠で養った英気も

長続きはしなかった。

足のつりこそ無くなったが

疲労困憊は間違いない。

心臓破りの坂なんて例えがあるが

「いったい斜度は何度?」

車ななら絶対ローだよね。

マジで心臓が止まるんじゃないかと。

真面目にリタイヤの選択が頭を過ぎる。

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「マジかよ~」

「勘弁してよ」

「もう、いいわ」

「またかぁ・・」

坂の数だけボヤキが増える。

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人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。

昔の人は凄かったなあぁ。

根性や辛抱が違う。

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もう石畳もいいって!

と、またボヤく。

俺は家康にはなれない。

と思ってみても

現実からは逃れられない。
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登って、下ってまた登るんだったら

地形のことはわからないけど

どうか尾根伝いに歩かせてくれ〜

 

唯一の救いは

明け方の冷え込みがなかったのと

強烈な眠気が

仮眠のお陰で回避できたことだった。