還暦前の男は少年を誘い海へ
理由は単純明快だ。
“海を好きになってもらいたい”
それでなくても最近の子供達は
インナー型でゲーム、ゲーム
子どもたちを取り巻く環境も変わり
学校でのプール授業を
取りやめるところがでてくる始末。
さらに、この異常気象でいつまで
真夏に海水浴を楽しめるかもわからない。
海の危険も増えている。
まぁそういったところか
海沿いの段丘を不安定な雲が覆う。
一雨来るかなぁ
今やプロでも局地的な天気予報はできない。
風を感じ雲の流れを見て
虫の声を聴き
自分で予想するしか無いのである。
途中、田舎の道の駅で
厚焼き玉子の太巻き寿司を買った。
柚子酢が効いてウマシ!!
13時がテントサイトへのチェックイン
1時間ほど早く着いて
平日ということもあり
テントサイトはガラ空きだったので
「テントを張りたい」と申し出たが
「ダメ」という答え。
結果、最も暑い時間に
テントを張ることになった。
もちろん少年にも手伝ってもらったが
年齢的にはまだ役に立たない。
逆に足手まといで作業が戻ることもあり
酷暑でイライラが募る中
信じられないほど汗をかき
何とか設営を完成させた。
海を好きになる作戦として
今回この海水浴場を選んだのは
・海上アスレチックがある
・遠浅で波が穏やか
・芝生張りのテントサイトがある
何しろ「海は塩っ辛くて嫌い」という
筋金入りだ。
14時からの1時間が
海上アスレチックの予約時間
酷暑の中、何とか1時間足らずで
テントを(ほぼ一人で)立て
フラフラになりながら
少年と海上アスレチックに向かった。
ちょうど満ち潮に向かう時間帯なのか
既に足はつかない
二人共ライフジャケットは着ているものの
沖へ向かうロープを手繰り寄せる感じで
進んでいった。
テント設営からここまで
相当なエネルギー使い
海から遊具へ上がるために
ハンドルバーのようなものをつかみ
フワフワと波に揺られる遊具へ
自分の身体を持ち上げるのに
これまた、相当なエネルギーを
使ったのである。
この時に気がついたのは
「なるほどこうやって
遠浅の海でも溺れて亡くなるんだ」と
少し気を引き締めないとヤバいなと思った。
その後も熱中症の症状が出て
遊具から海中に飛び込んだ際に
両足が同時につり始め
いよいよヤバい!と思った。
多少の泳ぎの心得はあるし
川に比べて海は慣れている。
また、そういう考えが
油断を生むことも承知済みだ。
無限のエネルギーに満ちた少年と
還暦前の老人が
肩を並べて遊べるはずがないことを
嫌ってほど思い知らされた。