『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

Hokkaido summer《3》

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私の記憶では午後8時位に青森駅

到着したと思う。

もちろん宿など取っていない。

駅に行けば

何とかなるだろうと思ったのだ。

奇しくも翌日から青森は

ねぶた祭りが開催される事もあって

駅前の公園だったか緑地帯には

所狭しとテントが張られていた。

中には野宿らしい人達もいたので

コレ幸いと野宿を決めた。

歩道のようなところに

拾ってきたダンボールを敷き

寝袋と折り畳みの枕は持っていたので

寝床の準備は完了だ。

すぐに周囲の若者達と打ち解け

ビールで乾杯くらいしたかもしれない。

700km走った上に

荷物満載のバイクを押した疲れで

すぐに眠りにつけたが

蚊に襲われたことは覚えている。

蚊は山だけではなく

駅前にもいるんだと思った記憶がある。
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北海道に渡る手前のトラブル続きで

少しナーバスになっていたかもしれない。

当時のバイト仲間が

ねぶた祭りに参加するために

青森出身の先輩の家に集合することは

知っていたし

「青森通るんだったら連絡しろよ」

とも言われていたので

翌日は少し青森に留まることにした。

ブーツを脱いで先輩の車に便乗し

青森の海などを観光・探索し楽しんだ。
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そして日没になる頃

町はねぶた一色に染まった。

バイト仲間は貸衣装を借りて

にわかハネトへと変身した。

「お前もハネろよ。もう北海道はいいだろう」

と言われたが

東北の祭りのうねりとエネルギーを浴びて

決意新たに、楽しそうにハネる仲間に別れを告げ

ひとり室蘭行きのフェリー乗り場へ向かった。

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夜の波止場で

ひとりバイクを止めて

出航を待つ時間が好きだ。

期待と不安が入り乱れ

神経が高ぶる。