『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

Hokkaido summer《1》

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雨の合間を縫って

Night walkingを続けている。

懐かしのミュージックを聴きながら

歩いていると

ふと、21歳の夏に訪れた

北海道のことが頭をよぎり始めた。

そこで記憶を辿りながら

当時のことを綴ってみようと思う。

 

大学に入って

高校の同級生から買った

初めての中型バイクは1週間で盗難に会い

その後、別のバイクを手にする。

当時は空前絶後のバイクブームで

雑誌も沢山の種類が刊行され

夏が近づけばどの編集者も

決まって北海道特集を組んだ。

バイク乗りが当時

北海道を目指すのは

自然の成り行きだったのである。

しかし、関東からでも800km近くはあり

北海道を周ると1000kmを超える。

21歳の自分にとって

不安材料は少なくはなかった。

しかも当時はナビもネットも

携帯電話も無い時代なのだ。

ましてや高速道路なんて走ったこともない。

でも賽は投げられた。

上野に行ってナイロン製の

レーシングスーツとブーツと

タンクバッグを買った。

当時、上野には

バイクやらバイク関連商品を扱う店が

軒を連ねていたのだ。
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「北海道に行く」

それ以外はほぼNO PLAN

6畳一間の狭いアパートに

所狭しとツーリングギアが並ぶ

出発前夜。

目指す青森駅までは横浜から

730kmほど。

時速80kmで10時間走ればいい

まぁ延べ2時間ほどは休憩と給油かな

てことは17時に着くには

朝5時に出ればいい。

きっと、そんな計算をしたのだと思う。

が!しかし!

出発の朝

何かは忘れたが

バイクのトラブルに見舞われ

出発が大幅に遅れたのだ。

遅れを取り戻すためには

時速120kmで走るしかない。

事前の情報だと高速道路には

オービスというものが存在するらしいが

いったいそれが

どんなものなのかの情報はなく

何も映し出されていない

速度制限の電工標識を見るたびに

ブレーキをかけていた。

でも、ひたすら北を目指し走るしかない。

焦りは募るばかりである。

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※上の黒い線が北海道の軌跡だ。