『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

チーズフォンデュとワインとJAZZの夕べ

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渋滞するはずだ。

山頂はドライブ客でごった返し、

キャンプサイトは見事に埋まり切っている。

ほとんどはマスクをしているが

していない人もチラホラいるし、

ましてや狭い山の上だ

ディスタンスなんてものは存在しない。

開放的な空間の中でいるから

何となく安全感が漂っているが

冷静に考察すると

もしかして、世間で問題になっている

野外フェスよりたちが悪い?!

検温・消毒なし

マスクは他人と交わるトイレ時のみ

感染対策の管理者不在

アルコール飲み放題

ディスタンスなし

しゃべり放題

このように考えると

世間がいかにマスコミのイメージに

左右されているかがわかる。

 

とは言っても、さっきのヤカラみたいに

「オラァ!てめぇらマスクしろよ!」

と、羽を広げて絶叫してみたところで

「じゃあ、アンタが出ていけば?!」

となるに決まっている。


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気を取り直し

マイ・ハウスを確認した。

しっかりと

SnowpeakとColemanに挟まれているが

空間は死守されていた。

 

色んな出来事を

それぞれに楽しみながら

夕べの仕込みに入った。

 

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今宵は牧草地帯の高原によく似合う

チーズフォンデュだ。

基本、なんでも具材になる。

キノコ、トマト、鶉の卵、ハンペン、

ブロッコリー、エビ、餅、餃子、

じゃがいも、ニンジン、フランスパン

そんな感じだ。

 

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陽も西に傾いてきた。

空間の演出も整いつつある。

 

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例の使えない着火剤は昨日使い切ったので

今日は火起こしも順調だ。

もちろん、仕込みビールを楽しみながらの

準備作業である。

 

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いい感じに仕上がってきた。


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雲に覆われているが

稜線もオレンジ色に彩られている。

チーズフォンデュとワインとJAZZの夕べ”

の始まりだ。


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BGMは随分と迷った。

自分にとって心地よい音楽も

興味の無い人にとっては

ただの雑音であるし

風の音を楽しみたい人もいる。

しかし、ずっとしゃべりっぱなしの

Snowpeak野郎よりはいいだろうと

最小のボリュームでJAZZを流した。

一曲目は

ジョン・コルトレーンだ。


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Snowpeak野郎は

他のキャンプ客を

ハンググライダー・タープに招き入れ

賑やかに夜会を開催中だ。

しかし、よく喋る。

きっと、世話好きでいい人なんだろうな。

名前や色んな情報が耳に入ってきた。

誰が聞いているかわからない。

パブリックスペースでは個人情報管理も大切だ。

隣のアニメ風女性は

お昼過ぎに、

「昨夜の月が眩しすぎて・・」と

かぐや姫のような謎の言葉を残して

去っていった。

ファミリーSnowpeakは・・

どうしたんだお父さん?!

ずーっと一人でテントの前で

チェアリングしている。

施設の整ったオートキャンプ場と違い

本当に好きでないと

奥さんや子供さんは楽しめないだろう。

ましてや、この過酷な気象の変化だ。

お父さん、今回は空振りだ。

ジムニー・ソロ女子と初老ソロキャンパーは

きらびやかな都会の摩天楼の中の

オアシスのような雰囲気を醸し出しながら、

自分のペースを保持していた。

セレブ夫婦は相変わらず

狭いテントの間を縫って犬の散歩だ。

 

ソロ同士で仲良くなり

食材の交換やら酒を酌み交わしたり

それぞれが

それぞれに楽しんでいる。

 

平和な風が吹いている。


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私はそんな一人の時間を堪能している。

腹も立たない。

気も使わない。

好きなことをやりたい瞬間にできる。

やりたくなきゃやらない。

自分のペースで生活しているようで

いかに普段、周囲に気を使っているかが

よくわかる。


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大自然の営みと様々な人間模様を

堪能しながら

闇に包まれてゆく。