『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

小動物のようなヤカラ

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さて、そばめしも食ったし

温泉へ行くか。

この高原から一番近い町まで

40分はかかる。

その町に温泉があるので、行ってみよう。

これも、キャンプの楽しみだ。

ついでに氷も買ってこなきゃ。

随分とキャンプサイト

密集してきたが、

私のテントの右側のエリアは

帰って来るまで守られているだろうか。

もちろん区画はフリーなので

譲り合いである。

しかし、そこにテントを張られると 

俄然、焚き火がやりにくくなるのである。

こうなると、結果的には

Snowpeak野郎の動線塞ぎが

結界となってくれているので、

ある意味、感謝である。


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蛇のようにクネクネと

ヘアピンが続く山道を走る。

時折、対向車が来て

ギリギリにすれ違う。

直線の40分とは違い、

2時間位走ってきたような感覚だ。

で・・・

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いいんだ。

よくあることさ。

lonewolf1964.hatenablog.com

 

まぁ、氷を買うついでに

温泉に寄ったまでのことだ。

気になるまい。

さっき通り抜けて来たばかりの

あのクネクネ道を

また走れるかと思ったら、心躍るぜ!

 

しかし・・・

キャンプ場のある頂上まで

大渋滞が発生していた。

そもそも、

すれ違いが出来ない位の道の連続。

さらに、連休半ばでキャパを超えた車が

山頂に押し寄せているのだろう。


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ピクリとも動かない10分

動く10秒

こんなローテーションの繰り返しだ。

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そんな時、

前の車から中年女性が突然降りてきた。

「すみません。ここでUターンをしたいので

 間隔を空けといて頂けますか。

 本当にすみません」

「いいですよ」

かなり悲壮感が漂っている。

予定が大狂いなのだろうか。

しかし、タイミングの悪いことに

このことで、下りの対向車が通れなくなり

ここでも、行き詰まってしまった。

 

さらに、女性だからと言ってはいけない

すぐにUターンができない。

私は窓を開けて走っていたのだが

対向車のドライバーが

「こんなとこでUターンなんてダメだよ」

と、なぜか私に言っている。

「一台入れてやってくださいよ」

そんなやり取りを飛び越す強者の声だ。

「おらぁ!何やっとるんじゃ!

Uターンなんかするな!!」

えっ?なんで私に言うの?

見るからに普通でない感じの

いわゆるヤカラ風が、その後ろの車から

降りてきた。真打ち登場だ。

上り下りとも動かない車列の全員が観客だ。

「急がれてるようだから、一台くらい

 入れてあげればいいでしょう」

「みんな、急いどるんじゃあ」

おっと!伝家の決り文句だ!!

冷静に考えても、

彼女の車を一台入れる程度の時間は

このとき起こっている状況に

何ら影響はないと思って言ってみたが

頭に血が上った奴には、もはや通じない。

さらに、観察していると

こういう人の共通点だと思うが

喋りながら、やたらと膝を

がに股風に上げたり

胸を突き出すようにしてわめいている。

まるで

鳥が自分より手強い敵を威嚇するのに

羽を広げて大きく見せるアレだ!!

まさに、アレと同じだ。

なんて思いながら、私に

「早く前に詰めろ!」

「(件の女性に)お前はそっちへ寄ってろ」

と、ヤカラのワンマンショーのせいで

無駄な時間の浪費が始まったことに

当人は気がついていない。

そんな時間があれば、

ゆうにUターンできたのに・・・

イライラしているだけで

結局、お前が一番急いでいないんだろう?

 

ヤカラのボルテージも上がってきた

ドアを蹴られるかも。証拠、証拠

あぁ。。

アクションカメラは鞄の中だ。

スマホだとさすがに奴でも気がつくだろう。

 

結局、彼女が道を譲る格好となり

徐行で追い抜くときに

「ごめんなさいね」と声をかけたが

後ろに子供さんを載せた彼女は

自分のせいでの大騒ぎに、

繰り返し繰り返し、頭を下げていた。

 

やっと、ヤカラも自分の車に戻った。

隣に奥さんだろうか女性の姿が見えた。

彼女はなんて声をかけるんだろう?

「やめてよ、あんたみっともないじゃない!」

なのか

「ホント、腹立つわね。

 アンタよく言ってくれたわ!」

なのか

「アンタ生温いんじゃないの?」

なのか

 

連休で渋滞が我慢できない人は

家にいて下さい。

ましてや、行楽地に来ては駄目です。

 

しかし、この時代

下手に何か言おうものなら

ナイフで切りつけられることを知ったのは

帰宅後のニュースを見てからだ。

気をつけなければ