粉雪舞うこの季節になると
浴びるように酒を煽り
残り僅かな
暦の日を辿るように
師走のネオン街へと
繰り出していた。
大袈裟な表現をすると
酒無くして
寿命が10年延びて
メルセデスのdriving seatは
間違いなかったと思っている。
失うものもあれば
得るものもある。
人が生きる上での
熱い瞬間に
投じてきたと思っている。
家飲みの習慣がないから
コロナ禍で、すっかり酒量も減り
忘年会という観念すら
遥か遠いものになりかけていた。
今宵、ふとしたことから
一人静かな忘年会で過ごしている。
舟歌を聴いてみた
昭和40年代は静かな
年の瀬だった。
人々は質素で慎ましく
凛とした空気があった。
家族揃って
年越しそばをすすりながら
テレビで日本の心を聴いたものだ。
春に母が逝き
あの頃の家族はもう誰もいない。
静かな夜だ
北の歌を聴きながら
目頭が熱くなり
昭和の時代を思い出す。
今宵、炙った烏賊はないが
温めの燗で
我が人生で出遭った人達を
思い描く
皆
変わりはないか
困ってはいないか
元気ならそれでいい。
人の一生と同じで
浮き沈みもある
静かな師走。
いいじゃないか
いつか
また、きっと
いい時代も来るだろう。
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