11月は新蕎麦の季節だ
新蕎麦を食するため
車を走らせた。
一部には紅葉も終りを迎えていたが
ようやく山の木々が
色づき始めた感もある。
山里では暖炉に火が灯り
コロナで途絶えていた村の祭りが
賑やかに執り行われていたようだ。
こんな山里でも
長いトンネルを越え
人々の息遣いが聞こえてくる
そんな季節を迎えられたことは
感慨深いものである。
高齢の男性二人で切り盛りをしていた。
問いかけてみると
昨年までいた同じく高齢の女性は
亡くなったとのこと。
コロナで止まってしまった時間も
着実に流れていたということだ。
高齢男性二人の
なんともほのぼのする
やり取りを楽しみながら
新蕎麦を堪能した。
再びエンジンを掛けて
来た道を帰るのはやめて
高原を目指してハンドルを切った。
深山のクネクネ道だが
天気もよく
いい具合に山は彩りを迎え
素晴らしい風景が流れてゆく。
狭路故に車を停めることもできず
シャッターチャンスは
何度もお預けとなった。
そして、きっと売り切れているだろうと
思っていた高原のチーズケーキにも
ありつくことができて
腹も心もしっかりと満たされた。
薄が陽光を受けて
黄金色に輝きを増す。
気持ちも高揚し
アクセルを踏み込んでゆく
スカボロフェアを聴きながら