この日は
サロマ湖畔のキャンプ場で
野宿をすることにした。
キャンプ場だから快適だし
どうせキャンプなんて
野宿みたいなもんさ。
・・なんて考えたのが間違いだった。
80年代のキャンプ場としては
かなりハイレベルな
キャンパーがひしめいていた。
とてもとても野宿なんて
恥ずかしくてやれる雰囲気ではなく
すごすごと
駐車場の隅っこに移動し
目立たぬように
植え込みの草場で
バイクの影に隠れるようにして
野宿をした。
寝心地の悪さと蚊の襲撃で
眠れず
夜明けとともにキャンプ場を
後にした。
清々しい朝だった。
こんな経験が後の人生で
どのように役に立ったかは
正直分からないが
生きていく肥やしに
なったことは間違いない。
何かに役立てるために
経験しているわけではない。
意味なんか考える前に
やった方がいい。
人生は祭りなのだ。
心を震わせ
魂を燃やす瞬間があれば
それが生きてるってことだ。