第7回しまなみ海道
ウルトラウォーキング大会
本来であれば
晩夏の
風も心地よい季節に
開催されるはずだったが
コロナ感染拡大により
恋人もしばれる
師走に
順延となってしまった。
それでも、気を取り直し
トレーニングを再開したが
ここへ来て
夏から突然の初冬への移ろい
まだ、午後7時過ぎとは言え
川沿いの道は寒さと寂しさが募る。
真冬のような
はっきりとした寒さではなく
忍び寄るような寒さ。
そして、新興住宅地であれば
軒並み飾り窓から幸せの灯りが
溢れてくるのだが
灯りのある家の間に
パズルのピースが欠けるように
灯りの消えた家
人気の無い家
朽ち果てた家があると
寒さに加えて
心が闇の底へ
静かに落ちてゆく
それは、とてつもなく
ゆっくりとしているが
もう引き返すことができないくらい
絶望的な気持ちになる。
一本道を変えれば
普通に車が走っている道はあるのだが
ここは別世界である。
時折、
恐ろしいほど無機質に
また、こちらが別次元にいるかのような
スピードで車が駆け抜けてゆく。
闇の光か
心を刺す風か
なぜ、感情が揺さぶられるのかは
わからない。
しかし、言いようのない
孤独感や喪失感に
覆い包まれるのである。
そんな夜に
ヘッドフォンから流れてくるのは
浜省である。
80〜90年代の彼の曲は
反体制や閉塞感とか孤独感が
伝わってくる。
アップテンポの曲だと
ギャップがあり過ぎて
余計に溝にハマってしまうが
ちょうどいいのである。
浜省は