『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

J.L物語➀/銀座でランチ

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布団を売っていた組織のTOPにメスが入った。

いわゆるマルチってやつだ。

正直、「えっ?今頃?!」

と言った感想を持った。

何しろ、私がJ.Lに出会ってから

もう、30年は経っている。

当時から随分怪しかったのだが

今まで、無事だったのが不思議だ。

これは、私とJ.Lの

出会いの物語(ノンフィクション)である。

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「ねぇ、銀座でランチでもしようよ」

 

日々ノルマに追われて、セールスに勤しんでいたある日

バイト時代の女友達ブル子からランチの誘いの電話があった。

 

ブル子は私より年下で

当時20代半ばで既に✕1になったばかりだった。

 

「私も色々あってさぁ、羊君に聞いて欲しいんだよね」

 

私は兄弟や親せきが女性だらけだったせいか

女性の中にいても違和感がない空気を持っている。

女性の方もきっとその安全性がわかっており

よろず相談が舞い込むのは珍しくはなかった。

 

当時の職場は新宿で、

営業エリアは山手線の西側が多かったので

銀座は新鮮な響きもあり。

一つ返事でOKを出した。

 

その日はどんよりとした空模様で

東京の空が日頃にも増して重く見えた。

「そうだ傘を買っていこう」

以前から、頭にあった

黒のコウモリ傘を伊勢丹で買った。

柄の部分が竹をあしらった正統派のデザインだ。

2万円を切るくらいの値段だったが

「銀座には相応しいだろう」と

少々鼻を膨らませて、手に入れた。

 

ゼンリンの地図を片手に

指定されたcafeを探し当てて

ドアを開けたもののブル子の姿は見当たらず

「ちょっと早かったかな」

と思いながら、案内された席につき

ウェイトレスが運んできたおしぼりの袋に手をかけた。

 

私は今はそうでもないが

羊を自称するだけあって

我慢強く、あまり感情を荒げることのない性格だった。

それでも、待ち合わせの時間から1時間が過ぎた頃には

空腹もMaxに近づき、少々イライラしてきた。

 

当時はまだ携帯電話もなく

選択肢は

そのまま消え去るか、待つしかなかった。

 

怒りが限界点から諦めに変わろうとする頃

やっと

「まったぁ、ごめん、ごめん」

とブル子は臆することもなく、笑顔で現れた。

バイト時代とは違い、スーツを着こなし

若いのに人生の苦難を経験した

変な貫禄が感じられた。

 

(待ったに決まってるだろう!!)とは言えず

「まぁね。なんかあった?早く飯にしよう」

 

遅れた理由は忘れるくらい

どうでもいいようなことだったと思う。

 

「そうだよね。お腹空いたよね。

 晴海のホテルに移動して食べようか」

 

・・・晴海

・・・ホテル

銀座じゃないのかよ。

しかも、なぜホテル?

私のCPUが唸りを上げて回転し始めた。

✕1、ホテル・・・

しかし断っておくが、ブル子というだけあって

私は彼女には異性としての興味は全くなかった。

 

「はやく、はやく、行こう!」

 

早く、早くって

お前が遅れたんだろう!

とも言えず

「そうね。晴海のホテルもいいかな」

 

こうして、銀座を後にして

晴海行きのバスに飛び乗ったのである。

 

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