『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

羊サラリーマンのゴルフ道その⑦


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いつかクラブ一本でコースを回ってやる。

https://lonewolf1964.hatenablog.com/entry/2020/07/21/221021

と思ってから、数年が過ぎ去った。

 

親しくさせてもらっている

元取引先のパイセンから

ホールインワンをしたから

 お祝いコンペに出てよ」

とお誘いがあった。

羊のゴルフのレベルを説明し

丁重にお断わりをしたが、

「同じくらい下手な君の元上司も

 誘ってるから大丈夫さ」

と何度も口説かれたので

ここは、応じるのが礼儀だと思い

決意を新たにした。

 

また、久しぶりに

川上の赤バット

いや、父から譲り受けた

赤シャフトのドライバーが

火を吹くときがきたな。

と感慨にふけった。

おっと、その火を吹くんではなくて

ダブった大地との摩擦で

火を吹くのである。

 

指定されたC.Cは、

うるさいキャディーもいない

よく教育がされた

真摯なキャディー揃いなので

気が楽だ。

 

朝早めに車で乗り付けると

所々に雪が積もっている。

緑に白のコントラスト

そこに赤シャフトかぁ…

なんて、思う余裕はもちろんだが

ない!

 

プレーか始まったが

概ね予想通りである。

どのラウンドのどのコースかなんて

覚えてもいないが

ティショットで

左右を斜面で囲われたコースの

左上側に打ち込んでしまった。

 

いつものごとく

クラブを数本抱えて

息を切らして斜面を掛け登った。

 

おいおい、どうやって打つんだ。

これは……

とにかく、何とかクラブにあてて

少し出すしかないな。

と考えてたら

そこへキャディーさん。

 

キ「羊さん、出しましょう!」

羊「はい。出しますよ。」

キ「打ちやすいところへ出しましょう。」

羊「それはイカンでしょう。

  だって紳士のスポーツでしょう?!」

羊レベルで紳士を語ることが

どんなに無意味だったことか

キャディーさんは聞く耳を持たない。

仕方ないので、

ここは親切なキャディーさんに

従うことにして

ボールを拾い、

悪いことに手を染める

ドキドキ感を味わいながら

数十センチだけ

出してみた。

 

ジッと成り行きを見守ってくれた

キャディーさんが

息を吸い込み

「羊さん、もっと思いっきり出しましょう!

 男らしく!」

男らしく?どっかで聞いたセリフだなぁ。

なんてことを考えながらも

「しかし、それはちょっとやり過ぎなんでは…」

躊躇している私を見たキャディーさんは

まるで、ナイトガイドに出てくる

ワケアリアゲハ縦巻きホステスのように

目を塞ぐように手を当てて

「私は見てません。見えてませんから」

 

・・・そこまで、キャディーさんにさせるくらい

迷惑な客なんだなと思うと

おかしくなってきた。

 

その捨て身の行為に答えるべく

1mくらい出してみた。

ここが羊として譲れるギリキリのラインだったが

無意味な攻防であったことは

言うまでもない。

そして、

もうここには来てはいけない

と思うのであった。

 

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