記憶にはないが
１週間程前だろうか
額に違和感を感じた。
感覚的には
どこかにぶつけた後のような違和感だ。
もちろん、ぶつけた記憶はない。
「まぁ、そのうち治るだろう」
と、放っておくことにした。
しかし、日常生活の中で
傷口に触れることもあり
その度に、結構な痛みが走ったし
こぶのようになっていることも
やや気がかりであった。
１週間が経ち、痛みが増してきたので
さすがにマズイなと思い。
病院に行くことを決め、
自撮りをして、
初めて傷口をマジマジと観察してみた。
２穴の傷口が３か所ほどあるように見えた。
２穴ということは虫か？
ハサミを持った虫となるとムカデか？！
いやいや
いくら何でも３か所も顔を噛まれて
気が付かないほど、眠りは深くはない。
モヤモヤしたまま
過去に一度受診歴のある皮膚科へ出向いた。
ルーペのような機器で傷口を覗いたDrは
「処置をしておきましょう」
「先生、虫ですか？」
「既に瘡蓋になっているので、
それはわかりません」
・・・なんともつれない。
原因が分からないと
対処のしようがないではないか。
「ぶつけた記憶がないし、
２つの穴が気になるんですが」
「申し上げた通り、
今の状態だとわかりません」
金ちゃんの仮装大賞の電光審査板が
“ピコーン”と
１メモリ上がったような気がした。
処置室に案内され、
ごく簡単な処置を施された。
「疑わしいことがあるので、
明後日また来てください」
『ちょい待てよ』
心の中でキムタクが叫んだ。
「虫ではないんですか？！」
「他に疑わしいことがありますので」
いやいやいや
その疑わしいことを、
まず私に説明するのが先だろう！！
さっきから、
何度も「虫じゃないですか？
（原因は何なんですか？）」
と聞いているだろう。
虫なら、部屋にバルサンを焚くとか
ぶつけた痕なら、覚えていない訳だから
若年性認知症を疑うとか
既にコロナに無症状で感染して、
後遺症の影響で
記憶が定かでなくなっているとか・・
たくさん、考えることがあるだろう！！
金ちゃんの仮装大賞の電光審査板が
“ピロロッロ”と上昇し始めた。
私の再三の問いに促されたように
「ヘルペスの疑いがあります」
聞いたことはあるけど、
それがどういった原因でできて
どんな影響があるのか説明しろよ！！
とは言わず、全ての関心を失った私は
早々に待合室に引き上げ
スマホで検索を繰り返した。
一番ストレスがなく、的確な方法だ。
もちろん、発疹時期に
２回目のワクチンも打ったので
念のために伝えたが、Drの小さく狭い
しかも閉じたままの引き出しから
何かが出ることは無かった。
ちなみに検索すると
『コロナワクチン接種後の
ヘルペス、帯状疱疹が増えてます』
と出てくるじゃねぇか。
私はアレルギー体質でも
皮膚が弱かったりもない。
恐ろしや…ワクチン( ﾉД`)
そして、ふと顔を上げた瞬間
駐車料金についての
小さい掲示に気が付いた。
ここは１階が共用のコインパーキングで
診療所は２階に位置している。
前回の受診時にも、
駐車料金のことが気になったが
何も言われなかったので、
自動精算機で支払ったのだが
「あのー駐車確認カードを
取っていないんですが？」
取ってないも何も
この掲示を見るまでは
知らなかったんだけどなぁ。
「カードが無いとダメですので、
取ってきてください」
金ちゃんの仮装大賞の電光審査板が
“ピロロッロ～ピローン”と
最上部まで登り切った！！
階段を下りて、出直せだと
お客様に対して、
よくそんなことが平然と言えるな
１階の自動ドアのガラスに
張り紙をすりゃ
こんなことは防げるだろう！！
常連ばかりじゃねぇんだよ！！
「そもそも説明不足じゃない！！
いや、駐車場のことだけではなく
診察内容についても。どうなってんの！！
もういい！！ここには二度と来ない！！」
と、言い放ち診察券を
その場で突き返そうとしたが
それは余りに大人げないので躊躇し、
薬局に向かった。
「ここでは駐車券もらえますか？」
「２階（診療所）でもらっていただけますか？」
怒りが再び沸騰してきた
「こちらには関係ないけど、
もうあそこ（診療所）には
二度と行かないから！！」
と、怒りをぶつけ、
２００円を財布より支出し
二度と立ち入ることの無い
パーキングエリアを後にした。
