島に朝がやってきた。
清々しい朝だ。
一寝入りしたおかげで
ふくらはぎや太ももが筋肉痛。
さらにシューズを履くのが躊躇われる
足の痛みを感じる。
泣いても笑っても
あと20kmだ!!
相変わらず前後に人はまばらだ
みんな、どこを歩いているんだろう。
最後の区間は長い下りからのスタート。
「こんな高い所にいたのか!!」
と、明るくなって驚くほどの
TEPPENからのウォーク
「人力で上がる道じゃねぇぞ」
と何度も後ろを振り返った。
瀬戸内の海から陽が昇る
素敵な時間の流れだ。
しかし・・・
ここに来て、またもや
困難が襲いかかる。
前方を見ると、並んで歩く二人。
女性のペアだ。
なかなかのいいペースで歩いている。
これまでに2回は追い越したはずだ。
今はほぼ、私と同ペース…マズい
もう、追い越す力は残っていない。
幾分だが、ペースを調整をしながら
ウォーキングマイディスタンス
5mを保持して追尾する。
正直、このタイミングに(結果的に)
引っ張り役になってもらえたのは助かる。
だが、いつまでも女性の背中を
追っかける訳にはいかんだろう。
勝機が訪れるのを
黙々と歩きながら待った。5mのドラマだ。
My best musicから
サブちゃんカバー、千春の
“風雪流れ旅”が流れ始めた。
鼓の音に胸の鼓動がシンクロする。
まさに血が逆流。
『北の男の底力を見せてやるだべ』
(羊は南の男だが・・)
「機は熟したり!今こそ勝負何処だ!!」
「北ぁのぉ〜りょーばはよぉ♪」
曲が“北の漁場”に変わった。
「今だぁっ!!」
・・・距離は詰まったものの
追い越しには至らなかった。
耐久力
つまり粘りを増すにはいい曲だったが
瞬発力にはめっぽう弱かった。
やはり、ここは
ボニータイラのヒーローからの
ストリーオブファイヤーのテーマソング
(日本ではヤヌスの鏡)
そしてスクエアのトゥルース(F1のテーマ曲)
だと、間違いなくブチ抜けたのだが…
それ以降、女性の一人が
たまにチラリと後ろを振り返るたびに
何となく気まずい思いをし
それはゴール5km手前で、
私がセブン11に入るまで続いた。
そんなドラマも繰り広げながら
最後のチェックポイントを通過した。
長い旅もそろそろ終わりが近づいてきた。
女性二人を気にし過ぎて
名曲“サライ”を流して
ゴール間近に
一人武道館を演出することを
すっかり失念してしまった。
唯一の心残りだ。
予測より4時間位速いゴールだった。
56歳
まだまだ、やればできる。
運営スタッフ
天候
一緒に歩いた人達
唯一挨拶してくれた島のばぁちゃん
支えてくれたことに感謝