『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

紅葉の三都を巡る~長岡京・平安京・大津京⑦

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京都コースの良いところは。

夜中に町中を抜けるので

寂しくないことである。

繁華街は観光客や若者で賑わっていたし

祇園あたりを歩いている深夜には

アフターと思わしき

男女の二人連れも何組か目にした。

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今回、神対応があって

夜中に京都御所を抜けていくという

驚きのコース設定だ。

写真は暗くてよくわからないが

人気のない暗闇の御所の砂利を踏みしめ

月灯りとヘッドライトを頼りに

ザックザックと歩を進める。

時折、定期巡回なのか

はたまたウォーカーの中に

テロリストがいないかの確認のためか

パトカーがグルグルと御所内を回っていた。

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そして寺田屋

眠い→寝たい→足が痛い→棄権したい

頭の中はこの繰り返しで

思考は止まったままである。

冷え凍る真夜中の京都のバス停に

倒れ込むように腰掛けて

何度かウトウトした。

ビルを見る度に

あの隙間なら寒さも防げて

眠れそうだ。

そんなことばかりを考え

ねぐらを探すかのように歩いた。

眠い→寝たい→足が痛い→棄権したい

道路脇に座れるブロックがあれば

腰を下ろし首をうなだれウトウト

心配したのであろう

ウォーカーに「大丈夫ですか?」

と声をかけられる始末。

ウルトラウォーキング参加は

家族と数人の仲間しか知らないこと

棄権したからと言って

誰も責めないし、慰めもしない。

これまでの参加コースの中で

比較的難易度は低いが

コンディションが悪かった。

それでいいじゃないか。

 

自問自答が始まる。

足が痛いぐらいなんだ。

足は動くんだろう?

本当に眠けりゃ気を失うだろう。

眠いなんて何を甘いこと考えてんだ?

 

これまでのウォーキング参加で

エイド以外で休んだりすることは

殆ど無かった。

だから極限なんだ。

と自分に言い訳をする。

Zeebraの歌が頭の中でリフレインする。

“男たるもの口より行動を”

“男たるもの鋼鉄のど根性”

 

雑念が取払われ

ある意味研ぎ澄まされてゆく

スマホの写メなんていらん

ていうか撮る気にもならない。

本当に良いものは心に残る。

音楽も今は邪魔だ。いらない。

削がれて削がれて

残ったのが“睡眠”

人間の3大欲の一つだ。

睡魔には勝てない。脳が命令する。

薬物と同じだ。気合ではどうにもならない。

あとは歩き続けているということ。

見栄か?!意地か?

 

研ぎ澄まされた先の

3大欲の一つ睡魔と戦っている

この根源は何なんだ。

答えもわからないまま

漆黒の古都で月に照らされ歩き続ける。