これがこの夜の寝床
寝てから気がついたが
還暦間近のサラリーマンには
少々キツイ。
110kmウォーク前には
できれば避けたいところだが
前泊を除いての選択肢は
夜行バスしか無いのである。
前泊と後泊を天秤にかけると
後泊が圧倒的だ。
もちろん両泊という選択肢は
今の私にはない。
乗車するなり隣の女性に
「カーテン閉めてもよろしいですか?!」
と、
いやいやそんなにプロテクトしなくても
間もなく閉めるから
と思いながら苦笑。
すっかり年に1回のルーティンになった
100kmウォーキング。
今年はぼんやりした不安が
頭の隅っこにあった。
昨年までの僕と
来年からの僕はたいして変わらないと
昨年までは思っていたが
やはり還暦近くになると
一年の微妙な変化は静かに忍び寄ってくる。
一人ですべての段取りをこなし
単独夜行バスに乗り
24時間黙々と歩き続ける。
体力、気力、お金ももちろんだが
モチベーション
つまりやる気が無くなったら
それでジ・エンド
まぁいいか。もういいか。
と思ったら、この旅も
いやこの祭りも終演を迎えるのだ。
夜明け前から眠れなくなり
そんなことを考えているうちに
京都タワーが見えてきた。
頭の中に描いた設計書通り
東京で営業マンをしてた時の勘を頼りに
朝のマンモス京都駅で
人気の無いトイレを探し出し
顔を洗いコンタクトをセット。
サポーターパンツはバスの中で
既に装着済みだ。
そして体を温めエネルギーを上昇させるため
立ち食いそばを生卵入りでかけ込む。
体の芯から
ヤル気がみなぎってきた。
さぁ行くか!!
今回のスタート地点だ。
過去3回のコースと比べると
もっとも起伏が少なく
観光気分で歩ける・・・はず
距離は110kmと少々長いが
何とかなるだろう。
古の都の凛とした空気に包まれ
否が応でも気持ちは高ぶってくる。
スタート直後は人の群れに阻まれ
ペースが掴めないので
スタート地点は最前線だ。
気分も盛り上がり
24時間以内で行けるんでねぇの
と不埒な野望が密かに湧き上がる
そんな出発だった。
・・・この時は