『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

Hokkaido summer《13》

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とうとう北海道最後の夜がやって来た

この日は贅沢して

カプセルホテルを押さえた。

渋谷のバイト先である居酒屋の

北海道1号店を訪ねた。

開放感、達成感、満足感

少しの寂しさ・・

色んな思いが交錯する。

レシートを見ると

瓶ビール3本

生ビール2杯

アップルサワー1杯

を飲んでいる。

カプセルホテルで倒れ込み

泥のように眠った気がする。

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帰路は海路に決めた。

苫小牧発東京行きだ。

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もちろん!!

ドラマは終わってはいない。

手持ちが尽きかけていた。

確か24時間位かかったと思うが

帰りの東京の港から

アパートのある横浜迄の

ガソリン代を計算すると

使える金がほぼ無いのである。

何しろ船の中の食べ物は高すぎて

何も買えないのである。

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試練だ!最後まで試練だ!

腹減った!腹減った!

しかし!光明を見出した。

売店に売っていた

北海道バターカステラが

(普通のカステラの半分サイズ)

500円か800円くらいだったので

それを買って食いつないだ。

それで手持ちは尽きた。

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金もない携帯もない

腹も減る

海の上

時間との戦いである。

バイク乗りと仲間になったが

少し変わり気味の人だった

でも退屈よりは良かったのだと思う。

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ようやく富士山も見えてきた。

無計画に近い形で北海道に渡り

曲がりなりにも

ほぼ一周制覇した。

ガソリン入れて

アクセル回せば

勝手に運んでいってくれるから

偉そうなことは言えないが

感慨深いものはあった。

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1985年・夏

旅の終わりはいつも

夕陽と共に