北海道も道東あたりは観光地も多く
それに連れ
何かしら寝ぐらも多かったが
西に移ると、途端に寂しくなった。
この日も寝ぐらが決まらずに
途方に暮れていたら
大阪から来た保父さん二人組が
声をかけてくれた。
聞けば「民宿風の子」で
一緒だったようだ。
「俺達、無人駅で野宿するけど
一緒に行く?」
と聞いてくれた。
心細くなりかけていたところへ
本当に優しい言葉だ。
年も上だったし
パンをご馳走になったり色々と
世話になった。
「ビール飲みたいだろうけど
蚊がくるからやめとこうか」
とまで気を配ってくれた。
翌日、丁寧に礼を告げて
それぞれの道へ戻った。
そして北の大地の放浪から
ようやく文明の香りが漂ってきた。
札幌の時計台だ。
街の風景は何となく
つまらなさを感じたのだった。
北海道レベルの大自然を体験すると
人工物が本当に作り物っぽくて
興醒めしてしまうのである。
この日は札幌駅で
すっかり板についた野宿だ。
絶妙な場所を見つける
感度も良くなってきた。
そして日本海側の
北海道最後の景勝地巡りだ。
遠くにロウソク岩が見える。
旅の終わりが近づいてきた。