『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

Hokkaido summer《12》

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北海道も道東あたりは観光地も多く

それに連れ

何かしら寝ぐらも多かったが

西に移ると、途端に寂しくなった。

この日も寝ぐらが決まらずに

途方に暮れていたら

大阪から来た保父さん二人組が

声をかけてくれた。

聞けば「民宿風の子」で

一緒だったようだ。

「俺達、無人駅で野宿するけど

一緒に行く?」

と聞いてくれた。

心細くなりかけていたところへ

本当に優しい言葉だ。

年も上だったし

パンをご馳走になったり色々と

世話になった。

「ビール飲みたいだろうけど

蚊がくるからやめとこうか」

とまで気を配ってくれた。

翌日、丁寧に礼を告げて

それぞれの道へ戻った。

そして北の大地の放浪から

ようやく文明の香りが漂ってきた。

札幌の時計台だ。
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街の風景は何となく

つまらなさを感じたのだった。

北海道レベルの大自然を体験すると

人工物が本当に作り物っぽくて

興醒めしてしまうのである。

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この日は札幌駅で

すっかり板についた野宿だ。

絶妙な場所を見つける

感度も良くなってきた。

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そして日本海側の

積丹半島神威岬を訪れる。

北海道最後の景勝地巡りだ。

遠くにロウソク岩が見える。
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旅の終わりが近づいてきた。