雨はネガティブだ。
ポジティブに語られることが少ない。
歓待されるのは「日照りの雨」
ぐらいか。
入学式、結婚式、旅行、イベント、祭り
・・・できれば晴れがいいに決まっている。
服や靴が濡れる。傘が煩わしい。
気分が滅入る。とにかくうっとおしい。
久し振りのまとまった雨を眺めながら
そんなことを想い
雨が気の毒になった。
「雨」といえば
私の年齢では三善英史
土曜の昼下がり♪という詩が
なんとも寂しく
子供ながらにエロティシズムを
感じたものだ。
そして八神純子の
「みずいろの雨」
八代亜紀の
「雨の慕情」
太田裕美の
「九月の雨」
どれも素晴らしいではないか。
そして
洋楽ではプリンスの「パープルレイン」
どれもこれも
雨無くしては生まれてこない名曲ばかりだ。
「雨音はショパンの調べ」
という曲もあった。
雨の良さは音かもしれない
パラパラ
ザァーザァー
シトシト
ポツリポツリ
「雨あがりの夜空に」という曲では
雨あがりの夜空に流れる
ジンライムのようなお月さま
という一節がある。
そう、雨がもたらす最高のシーンは
雨が止んだその直後にある。
雨が降り注いだ全てのものが
浄化され
キラキラと光り
新しい世界の扉が開くのだ
その心輝く景色が見られるのは
雨の賜である。