2階席のほぼ正面で
手すり前の席が割り当てられた。
武道館の席の狭さを感じながら
ハウンドドッグの武道館10daysを
懐かしく思い出した。
元々ノリがいい方ではないので
コンサートで立ち上がって
ノリノリになるのが苦手なのだが
私の両側の方々も最後まで
席を立つこともなく
思い思いに観覧していたので
自分のスタイルで聴くことができたのは
ストレスフリーだった。
一階席のノリを上から眺めるのも
また、別の楽しみがあった。
70歳近い浜省もパワフルな声量で
十分に楽しませてくれ
時折、懐かしさに
あの頃がフラッシュバックし
目頭が熱くなった。
白髪のオーディエンスは
何を感じて
どんな思いに
包まれていたのだろう。
それぞれの
記憶のアルバムが今宵開かれ
きっと
熱いものが
胸に過ぎったことだろう。
そんなことを
想像しているだけで
深い郷愁の念に
こみ上げてくるものを
抑えきれなくなるのである。
クールダウンをしようと
新橋の繁華街に足を向けた。
昭和の居酒屋を物色していたが
普段なら選ばない装いの店の
カウンターに腰を下ろした。
なぜ、その店を選んだかは
よく分からないが
22歳の感じのいい青年が迎えてくれた。
ちょうど浜省を聴き
アルバイトに精を出し
何もかもが輝いていたのが
22歳の頃だ。
そんな巡り合わせだったのかもしれない。
しばし、青年との会話を楽しみ
店を後にした。
ホテルを目指し新橋から銀座方面に
歩いていると
ビッグエコーの看板が・・・
一人浜省祭りをやることに
そうして、わかったことは
やはり、歌は下手だった。
“ごらん街の灯りが消えてゆくよ”
と言うことで
銀座の灯りもそろそろ消えるかな
やっとのことホテルへ。
フロントの姉さんに
部屋からは東京タワーは見えないと
教えてもらったので
ロビーでパシャ
ホテル選びに
夜景の優先順位は高い。
満足な一日が
終わってゆく。