
天気晴朗
波もなし
軍艦島着岸だ

ダウンジャケットが
非常に不釣り合いなものに思えるくらいの
気温と天候

やはり島の見学エリアは
かなり限られた範囲であり
外側から眺めるといった感じ
生活の核心部分である中央部へは
安全への配慮から
立ち入りが厳しく制限されている

確かにこれだと
VR映像のほうが
リアリティはある

しかし生でないと
伝わらないものがあるのも事実だ
空気であり匂いであり
その朽ち果てたコンクリートの
佇まいだったり

ミュージアムで見た映像には
島で暮らす人達の
活気とエネルギーが
満ち溢れていた

この小さな島で肩を寄せ合うように
ひしめき合った生活だが
そこには
共生や共育て
協調や共助など
今声高に言われている
生活の基礎があった

労働は過酷さを極めたようで
影の部分もあったかもしれないが
光り輝く部分も
大いにあったと感じたところだ

皆が家族のように暮らした島
軍艦のように見える島
命懸けの炭鉱仕事の島

幸運が重なり
その光と影を感じることができた
