『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

第7回しまなみ海道ウルトラウォーキング④

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初冬の太陽が

黄金色に黄昏れてきた。

瀬戸内の夕暮れは

島影が海に浮かび

情緒溢れ、本当に素敵な時間だ。

 

スタート時は

少し、周囲に触発され気味だったが

私のペースも落ち着いてきた。


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そして、いきなりの

巨人の星かぁ!

と思わせるような

“試練の道”

の、連続。

 

しまなみ海道

多種多様な橋を渡る楽しみと裏腹に

その橋を支える橋脚

もちろん、十分過ぎる程の高さがあるし

地面の道路との高低差は

言わずもがなである。

 

歩行でその高さまで行こうとすると

わかりやすく言えば

螺旋階段のような登り方を

しなければいけないのである。

 

幸い日頃より

エレベーターより階段を使う鍛錬が

功を奏し

息は切らしながらも

ダメージを喰らうことなく

登り切った。

 

すると、ワイヤレスヘッドフォンを

している耳にも聞こえるくらいの

足音を響かせながら

私を追い抜いていた影があった。

 

思わず呟いた。

 

「くノ一だ」

 

それも、わかりやすく言えば

運動中に脇腹が痛くなりながらも

我慢して前屈みで歩く

あのスタイルだ。

ただ、まちがい無く違ったのが

脇腹が痛いわけではなさそうだった。

 

あの試練の階段をいくつも

かいくぐり

登り詰めた先の

橋の直線で

疲れを感じさせることなど

これっぽっちも無く

私をぶち抜いていった。

 

「特殊部隊だ。いや。

 きっとそうに違いない。」

見た目、若者ではなさそうだったし

華奢でもなかった。

戦場において

過酷な環境を諸共せず

淡々と任務を遂行する

まさに、特殊部隊だ。

きっと、祖先は伊賀者だろう。


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何が目的なんだ。いったい・・

 

私みたいに

ウルトラウォーキングは人生の修行だ!

とか、呑気なことを言っている

人種ではなさそうだ。

特殊任務を背負っているのだろう。

 

またもや

業の深い生き様を

見せつけられてしまった。

彼女は私がゴールするまでに

一往復余分に歩くかもしれないな・・

 

 

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