スタート間近で
スタート地点へ集合するように
アナウンスがあった。
一年に一度、
ウォーキング大会に出る程度の素人が
とも思ったが
ポジティブに
先頭集団に位置づけた。
若い頃なら
遠慮の塊だったが
年齢を重ねるに連れて
少々、そういったことが
気にならなくなったのである。
話は戻り
周囲を見渡すと
失礼ながら
じいさん&ばあさんばかりではないか
いやいや、侮ってはいけない。
きっと、この先輩方は
(意外と歳は近いかもしれないが)
慣れた方々なのであろう。
とは、言いつつも
見た目のフケ感からして
完走目標なんだろうな。と
勝手に思っていた。
しかし、
主催者と思わしき男性が
親しげに
その老人軍団に向けて
「へんな組み方になっちゃって。。
着くの夜中ですね。すみません。」
ん?
どーゆーこと?!夜中?
どんなに頑張っても明け方でしょう?!
主催者の投げ掛けに
老人軍団は
ワイワイと笑顔でリアクションしていた。
そして、スタートの瞬間!!
しばらくは10人以内のポジションにいたし
歩幅も足の速度も
見た目は違わなかったので
「なんだ、真夜中は言いすぎか」
と高をくくっていたのに
徐々にじいさん&ばあさんの背中が
遠く感じ始めた。
いや、それは
じいさん&ばあさんが
別の世界に旅立っていくという
意味ではなく
リアルに遠ざかっていくのだ。
相変わらず
歩幅も足の速度も違わないし
私の速度が落ちたわけではない。
きっと、僅かな差なんだろうけど
その積み重ねで
驚くべきことに
みるみると差が開いていく。
さらに、
時の流れに重ねてきた年輪のせいか
ウォーキングフォーム
どこ吹く風
普通に歩くのにも
大変じゃねぇ?
といった歩き方で
みるみる間に差を広げていくじいさん。
ゴルフをやっている時にもいたな
めちゃくちゃな
いや、思わず「えっ?」と言いたくなる
フォームなんだけど
ちゃんと飛んてる人。
それと、同じだ。
先輩たちの
業の深さを感じながら
私は私で
快調に歩を進めた。
汗ばむくらいの気温で
全てが順調だった。