“青を灯せ”というCMがある。
青は、挑戦者を表す色、
その情熱の色。
青い炎は、赤い炎より熱く、
静かに燃える。
誰もが内に秘めたその青い情熱を
呼び醒ますことができる。
と、解説にある。
ずっと赤いバイクだった。
青いバイクに乗るのは
実は初めてだ。
“内に秘めたその青い情熱”
いいじゃないか。
ブラックアウトと呼ばれる
黒で統一するカスタムが人気である。
青色のハーレーは多くはないが
そこがまた、個人的には気に入っている。
バイクを右へ左へ傾け
尾根を縫うように走る。
白い雲が時折
青いバイクと並走するかのように
流れてゆく
1492mの地で
珈琲を味わう。
二輪で来た者でしか
味わえないものがある。
それが、男のダンディズムだ。
髭ダンではない。
色づく山も素敵だが
山並みの織りなす
モノトーンな
グラデーションは
イマジネーションが
無限に広がってゆく
そして、孤高の頂きも
バイク乗りに通ずるものがあり
つい、見惚れてしまうのである。
穏やかな気候だ。
しかし、長くは続かないだろう
もうすぐ
尾根に白い雪が降り積もり
人間を遮断した山は
冬ごもりを始める。
小春日和の穏やかな今日は
厳しい季節へ向かう
自然のプロローグだろう。
稜線を真一文字に斬った
天空のラインを走るのも
しばらくは
お預けの季節となる。
また、山が息づく季節に
再会だ。