この一月の間で
異口同音に
長生きする理由がない
と言う嘆きを聞いた。
嘆きと言うか
普通に多人数の仲間で飲んでる中で
たまたま隣の人との会話程度の
シチュエーションだ。
一人は独身40代女性
もう一人は既婚50代女性
サラリと言われて
こちらも返す言葉に戸惑う。
二人のプライベートの深くは
よく知らない程度の仲だが
そんなに疲弊してるとも思えない。
人それぞれに一つや二つ
誰にも言えない
あるいは深刻な悩みを
抱えているものとしたら
本人の思いは別として
恐らく、その域に収まるだろう。
私とて
真っ暗で、とてつもなく高い壁に
ぶち当たり
もう人生という舞台の幕を
下ろしたくなることは
今でもある。
しかし、一方で
あれもしたい、あれも買いたい
あそこへも行きたい、あれも見たい
と、欲望の渦の中に生きているのも
また、自分である。
でも、二人の女性から
発せられた言葉は
風雲急を告げるでもなく
かと言って
熟考の上に発せられたものでもない。
そこはかとなく
寂しさとか
閉塞感とかが
伝わってくるのである。
コロナ禍と関連づける気はないが、
見るからに普通の人生を送っていると
思っていたのに
心に闇を抱えた人が
こんなに間近にいることに
少なからず衝撃を受けた。