『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

男の生き様

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ここ数回は威勢のいいことばかり
吠えているが
羊サラリーマンは
実際には羊性格である。


世間にものすごく気を使って生きている。
(部分もある)
やや、主旨は逸れるが
私は中流団地の
中流サラリーマンレベルの
一戸建てに住んでおり
バイク乗りとしてリターンする前は 

自宅の駐車場にバイクを停めていた。
(現在は別途ガレージを借りている)


特に30~50歳くらいの20年は
多忙な時期を過ごし、
バイクは鉄の塊と化していた。
それでも、40歳くらいの頃に
たまに乗ろうとすると
お隣のオッサンが
「おーっと。困るねぇ。
今日は天気が良いんだから
雨を降らしてもらっちゃ」
(滅多にしないことをしないで)
とか
「おーっと。まだ動く?(バイク)
随分と乗ってないんじぇねぇ?」
とか
「おーっと。バイクが泣いてるよ。
たまには乗ってあげないとさぁ」


防災・防犯面でだけで言うと

ご近所に居てほしいキャラの

オッサンである。


私は干渉されるのがあまり好きでなくて
(だから都会は嫌いではない)
正直言って、
そっとしておいて欲しいのである。


だから、いつも家の中で息を殺し
隣家が動く気配の無いことを確認した上で、
「ガチャ」とやると
待ち構えていたかのように
「やぁやぁ、おはよー!!」

となるのである。
それも、

なぜかいつもタイミングがあってしまう。
もちろん、それを見計らって
出てくるようなタイプではなく。
悪意はないのである。だから困るのである。
そう
宇津井健主演の「源さん」に出てくる

タコ社長のような
少しおしゃべりが過ぎるオッサンである。


私の理想で言うと
北方 謙三先生の小説に出てくるような
ハードボイルドな展開が好みだ。

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日曜の朝
挽き立ての熱い珈琲を飲み干し、
革のジャンプスーツの

ジッパーを引き上げる。


隣家に面した駐車スペースに置かれた
バイクのシートを外しながら

送った視線の先に隣家のご主人が

ムスタングのボンネットを開けている。


(不必要な会話はしない。
 お互いの考えていることがわかる。)


「随分とくたびれたもんだ。
 コイツ(車)も女も
 放っておくと拗ねちまう」


(相手がタコ社長だとバイクに良くないと
 分かってはいても、早々に出発したいから
 暖機はしないが)


セルを回し、

タコメータの針が1000rpmを切るまで

ゆっくりと暖機をしながら待つ。


「音は悪くないさ。まだまだ走れる」


「おめぇさんのツレ(バイク)もな」
「北山は午後には風が変わる。
 早く行くこった。
  おしゃべりが過ぎるとツレが妬いちまう」


(山の方に行くだろうことが分かっている
 一言二言がおしゃべりという感覚)


「あんたのマシーンも

 風に吹かれた方がいいな」

「ちげぇねぇ」


心地よいエキゾーストノートを響かせて
進路を北に取り
私は走り去る。
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北方謙三先生だとこうなる。


しかし、現実は
気の弱い私は、タコ社長の
世間話につき合い
いつも出発が遅れてしまう。
話しが長引くと
暖機音がご近所迷惑だと思い
エンジンを切る。
これも来るべき災害に向けた
ご近所コミュニケーションだ。


隣家のご主人がお洒落過ぎると
人生に達観しすぎて
地震が起きても
地域の為に動いてくれないかもしれない。


し方あるめぇ
タコ社長の井戸端会議と

付き合っていくのが
気の弱い中流サラリマンとしては
得策だろう。


男とは、かように
女性には理解のできない
馬鹿な生き物なのである。

 

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