『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

サラリーマンの逆襲

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15年ほど前か

社の命で入会していた

社外活動団体でのこと。

社会奉仕、若手経営者育成、経済活性化等

を目的とした

全国組織、または地元独自の組織。

色んな団体がある、あれである。

殆どは経営者が対象であるが

たまに、私のような暇なサラリーマンも

お付き合いで送り込まれたりする。

 

大きな事業のある年に

それを担当する部会の

副部会長になり

いくつかの事業メニューの

一つの部門の責任者となっていた。

 

そもそも事業全体の推進や

バックアップ体制に問題があると

私は密かながら、冷ややかに見てた。

ある日、私の担当する部門の

進捗が良くないと、

事業の総責任者の会社に呼び出され

私よりも若い経営者に

「もっと、真面目にやるよう」

注意を受けた。

心の中の鐘が

「カチ〜ン♪」と鳴った気がした。

遅れが出ていたのは事実だが

それは目に見える現象であって

背景にある根本的な問題点が

見えていないのは明白であった。

 

経営者の鍛錬の場であるから

サラリーマンの私は

黙って飲み込むことにした。

よりによって、

自分の仕事も多忙な時期であった。

しかし・・・

羊の闘争心に火がついた

「ようし、やってやろうじゃねぇか

 サラリーマン舐めるなよ」

 

経営者には

我々サラリーマンにはわからない、

経営者なりの苦労や苦悩があることは

承知をしているつもりだ。

それでも経営者ばかりの団体だと、

それなりに個々の資質は見えてくる。

 

大きな事業だけに、ほぼ連日のように

夕刻になると会議が開かれた。

私は欠かさず出席し、

事業推進の結束を図るために

会議後は遅い夕食を皆で共にし

その後はお酒が入る流れとなる。

2次会くらいまでは

平然とお付き合いし

その後、会社に戻り、

3時頃まで自分の仕事をこなし

その後の1〜2時間程を

私の担当する部門の

事業推進の作業時間にあてた。

そんな状態が

しばらくは続いた。

 

夕刻には仕事を終え

会議中は静かだが

その後の飲食シーンで次第に

エネルギッシュになる人。

仕事が忙しいことを理由に

会議に出ない人。

口は流暢だが

ワークのできない人。

 

あらゆることへの

アンチテーゼである。

かなりキツかったが

なんとか切り抜けた。

 

そんなことは

誰一人として知らない。

知る必要もない。

 

団体の中にも懇意にしている人は

少なくはなかったが

似たように気概のある人もいた。

決して自らは語らないが

個人事業主なので

少ない従業員に任せられる

仕事の範囲も

限られている。

子供が小さい頃は、夕刻は家に帰り

子供との時間を過ごし

寝静まった頃に

再び事務所に戻り、一人仕事をこなす。

そんなことを

酒場のとまり木で聞いたこともあった。

 

私もサラリーマンとしての

意地を貫いた。

 

しかし、この出来事には

まだ、後日談があるのだ。

 

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