『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

予想だにしない要望

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ある年に

留学生がインターンシップでやってきた。

 

年が越して3月には任務終了となる

前年暮れの忘年会で

日本の文化に馴染んだ彼女が

挨拶がてらにお酒を注ぎに来てくれた。

 

「日本で思い残すことはないかい」

酒の勢いも手伝って

どうせ若い娘だ、

「〇〇が食べたい」とか「〇〇が見たい」

とかだろうと思って、

「何でも遠慮なく言ってごらん」

と調子よく言ったところ・・・

 

予想だにしない答えが返ってきた。

 

「(100km近くある)岬の果てまで歩きたいです」

 

・・・2度くらいは、聞き直したと思う。

 

彼女の決意は固く、本物だった。

 

日本男児たるもの

一度口から出た言葉を

引っ込めるわけにはいかない。

 

さすがに100kmウォーキングは

やや、自信が無かったので

社内のアスリートを1名

サポートメンバーを2名

役職者の特権を活かして

仲間に引き入れた。

 

100km歩くなんて未知の世界だ。

しかし、実際は軽く考えてた。

「走るわけでもあるまいし、

 ただ歩くだけだろう。簡単じゃねぇか」

と、高をくくっていた。

 

時は睦月。寒さはMAXに近い。

夜が更けて

漆黒の闇が忍び寄ってくる。

岬へ続く田舎道は

人どころか車もほとんど走らない。

気持ちも闇の底へ沈んでいく。

 

主役の留学生は地球の裏側から来て

何を思って、黙々と歩いているのだろう。

いや、これは彼女のやりたかったことだから

まだ、いい。

50過ぎの俺は・・いったい・・・

あの忘年会での弾みのついた一言が無ければ

「いや、これは

 彼女の日本での思い出作りなんだ」

と、自分を奮い立たせて、ふと思った。

 

彼女と私は当事者としても

残り3人の巻き込まれ組は・・いったい・・

 

考えることはやめることにした。

 

最終的に

私以外の2人は完歩を果たしたが

私は、眠気と寒気、そして

最終的には足が痛んで動かなくなり

60kmほどの所でリタイアしたのであった。

 

だから、今回の100kmウォーキングは

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私にとってリベンジでもある。

 

 

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