『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

羊の実験その弐「受験か夏祭りか」の巻


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羊の生まれ育った時代は

いいところに就職

その為に 

いい大学に進学

その為に

いい高校、中学に進学

 

そんな時代だった。

高校時代の受験期には

今思えば

先を見過ぎた感がある。

将来、検事になった時に

マスコミ人との

賭けマージャンに備え

マージャンに励み。

桜を見る会や赤坂の料亭で

酔い潰れないように

酒の訓練に励み。

最悪、銀行員になった時に、

すぐにスーパーカブで営業に行けるよう

バイクの運転技術を磨いた。

 

結果、本業が疎かになり

卒業後は、一年余分に勉強を

することになってしまった。

 

ちょうど、この時期の頃か

いつも二日酔いで顔の赤い塾の講師が

「一言言っとくが、夏祭りは

絶対に行かないように。

間違いなく合格はできません。」

いつになく、自信に満ちた口調で

ほざきやがった。

どんな根拠

いや、今風に言うと

エビデンスがあるんだ。

こいつは、どんなデータをもってるんだ。

どうしたんだ。いったい。

日頃講義では見せたことがない

この自信に満ちた態度は。

 

しかし、こちとら

根っからの祭り好きで

頭はすでに祭りに飛んでいる。

1983年の夏は一度しか来ないのである。

受験は来年も同じようにできるが

今年の夏は今年でしかない。

そんな、身勝手な論理で自らを武装

この赤ら顔の講師に

内心、激しく反発をしていた。

「行ってやる。絶対に夏祭りに行ってやる。」

 

だが、冷静になると

このジンクスとも言える

「夏祭りに行くと大学には行けない」

という言葉が、頭の中で呪文のように繰り返され

どんなエビデンスに支えられているのか

自信に満ち溢れた講師の赤ら顔が

私の脳裏を交錯し、

不安に押しつぶされそうになり

心の中で葛藤を繰り返した。

 

テレビでは狂ったようにに

夏祭りのCMが流れている。

そして、

羊の脳が反応する。

https://www.lonewolf1964.com/?p=54

 

祭りに行けと…

 

その瞬間

羊の中の実験の狼が吠えた!

「よーし、お前(講師)の言ってることが

 正しいか

 俺の言ってることが

 正しいか

 実験してやろうじゃねぇか!」

 

赤ら顔の塾の講師に洗脳された

ほとんどの同級生に

丁寧に断られ

志を共にする

最後の猛者と祭りに出向いた。

 

半年後…

桜は咲いた。

しかし、5校受験して

結果は2勝3敗。

大学には行けたが

第一志望校には行けなかった。

実験には成功したが

ここは、自分に厳しくイーブンと

しておこう。

 

「祭りに行くと大学には行けない」

 

塾の講師たるもの

そんな乱暴な説明をしてはいけない。

もっと、論理的に説明すべきであるが、

呪文のように発したほうが

効果が高いのだろう。

 

もちろん、私以外には

 

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