にわか山登りから
明けて翌日
入浴時に、へその横に視覚的な
違和感を感じた。
「こんなホクロあったっけ?」
そして、それは数日間の間に
目に見えて成長していった。
・・ガンかも
皮膚ガンだ。
しかも、進行性かもしれない・・
急ぎ、近所の皮膚科の門をくくった。
若い医者が
何だかルーペみたいなので
覗き込んでる。
私「先生、とにかくあっという間に
大きくなったんですよ」
Dr.「まだまだ、大きくなるかもしれません」
私「えっ?!」
Dr.「すぐに手術をしましょう」
私「えっ?えっ?なに?
先生、すぐにって、いつでしょうか?!」
Dr.「1時間後です。」
私「1時間後?!まだ、心の準備が・・
先生、やはりガンでしょうか?」
Dr.「いや。これはマダニです。
放っといたら、まだまだ大きくなりますよ」
私「・・・」
そう言えば、にわか山登りの日に
今思えば、朝刊に
『田舎の方の高齢者が
マダニの感染症で死亡』
と言う記事を何となくだが
目にしたことを思い出した。
その後、手術は簡単に、尚且つ
無事に終了したが、
私「先生、感染症については
どうなんでしょうか?」
Dr.「マダニの感染症は現在の所
特効薬は無いので、
様子を見てもらうしかないですね」
私「・・・」
それから1週間くらいは
生きた心地がしなかった。
しかも、目に見えるところだったから
よかったものの、
気がつかない箇所だったら
どうなっていたことやら・・・
何しろ痛みも痒みもないから
マダニの予防も手順を踏めば
問題なく防止できるが、
何しろ、行き当たりばったりで決めた
山登りだから、何もかもが
不十分だった。
しかし、この事があってから
山登り熱は
一気に冷めてしまったのである。