『羊と狼』カウントダウンサラリーマンのエレジー

羊サラリーマンの日常、及び回顧録

趣味の発見と即日の挫折(その1)

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2年前の丁度この季節。

既にバイクも手放していた私は

悶々と黄金週間を過ごしていた。

 

さすがに、

このまま何の趣味もしないで

年老いていくのは

少し寂しすぎるな。と思い直し

「よし、山でも登るか」と・・

瞬間的に頭をよぎったのは

“金もかからず、健康的だぁ!”

 

で、思い立ったら即行動。

夜中のうちにWebで

軽装で登れる近場の山を検索。

何となく盛り上がり、

ヤマケイなんかにも登録して

にわかハイカー気分はMAXだった。

 

待ち遠しい朝を迎え

おにぎりをCVSで買い込み

登山道に向けハンドルを握った。

 

しかし、既に迷いに迷い

時間は過ぎ、気は焦るし

テンションも下がってきた。

昼前には何とか目的の山の麓に

しかも、中腹まで車で行けたことで

午前中までの遅れは取り返せた。

 

そして、何とか926Mの頂上に

立つことができたし

握り飯もひときわ旨かった。

 

「山ってやつも悪くはないなぁ」

と感慨に耽ってると

本格的なスタイルのハイカー2名が

登ってきた。

こちとら、あまりの軽装に

「きっと、山をなめんなよ」と

思われてるだろうな、と察し

早々に退散することにした。

何しろ、彼らの腰元には

恐らく熊避けであろう、鈴までが

しっかりと装着されていた。

 

しかし、いざ復路に立つと景色は変わるし

空模様もどんよりしてきた。

「なるほど、こうやって

なんてことない山でも遭難するんだな。

キノコ採りに行って、

帰ってこれないのは、これか。。」

と少し、緊張が走った。

折しも東北のどこかの山で

親子が遭難したニュースもまだ

耳に新しい時だった。

 

と思いながらも

降り口を間違えてしまい

左右どちらに行っていいか

わからなくなり、

迷いかけてしまったが

スマホ電子コンパスが役に立ち

何とか、くたくたになりながら

車までたどり着くことができた。

 

家に帰り

グビッグビッとビールを飲みながら

「 装備をしっかりとすれば

山も悪くはないなぁ。」と

まんざらではない達成感に包まれていた。

 

そう

後日、世にも恐ろしい出来事が

起こることを、この時は

まだ予想だにしなかったのである。